外国の方たちは、日本人と違って形にこだわらず、ナチュラルにやりたいように好き勝手投げていて、フォームがどうとか、投げ方がどうとか、飛びがどうとか、あまり関心なく、謎にこねくり回して私を含めたマニアックな皆さんを満足させ、考えを広げてくれるような解説を繰り広げる人は外国にはいないのかと思っていました。
しかし、いました。”Straight to the point darts”というユーチューブチャンネル。1,650,000人も登録している人がいます。なんだ外国の人も謎の理論こねくり回し大好きなんじゃないか!
マーデルやポール・ニコルソンもダーツの投げ方をYouTubeで解説していますが、正統派というか、こう投げるべきという解説で、こねくり回しが少したりません。正論すぎてツッコミどころがありません。しかし、Straigt to the point dartsはツッコミどころを大量に提供してくれます。この解説者はフルタイムのダーツコーチだそうです。
このチャンネルはダーツを投げたときのフォロースルーの最後の手の形が気になって、調べていてみつけました。フォロースルーの手の形はすでにダーツが飛んでいったあとなので、どうでもいいといえばいいんですが、投げる時の動作は投げた瞬間に止まるものではないので、腕や手首の動きやその安定性、それにどうやって投げるかという意識が結果として現れているものなのではないかと思います。フォロースルーで手の甲がボードに向くぐらい手首を曲げる選手と、ダーツを指差すようにする選手がいます。どうしてそうなっていてどっちが自分に向いているのかな。
そんな疑問に参考になる解説だったので、日本語に訳しました。私が全部この解説者に賛同しているわけではないですが、こういう観察の仕方、見方、考え方もあるということは興味深かったです。 この解説者は手のひらが少しでもボードに向いていればオープングリップと言っていて、エイドリアン・ルイスぐらいでないと小指がダーツボードに向いているクローズドグリップとは言えないということになります。つまりオープングリップが多数派。私の感覚では、逆にジョン・ロウがオープン・グリップで、他はだいたいクローズドグリップでその方が多数派と感じてます。それに手首を曲げて手の甲をボードに向けるのに肘の回転は必ずしも必要ではないと思いますので、クローズド・グリップからフォロースルーで手の甲をボードに向けるような動きだと肘が回転するという点も少し疑問です。なので手をボードに向けながらリリースする選手は才能のある一部の選手に限られているという見方も私とは違って、私はほとんどの選手がそうやっているように見えています。ということでツッコミどころ満載ですが、どうぞ。
「ダーツプレイヤーの皆さん、ようこそ!今日はコメントの中で素晴らしい質問をいただき、それについてのビデオを作るのが良いアイデアだと思いました。時間は5分、文字通り5分しかありませんが、さっそく始めましょう。
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さて、あるプレイヤーが自分と同じハンドプリントを作ることを提案しているとのことです。ハンドプリントとは、フィニッシュポジションを説明するために私が考えた言葉です。この言葉を選んだのは3〜4年前のことで、指紋のようにプレイヤーごとにユニークなイメージを持ってもらいたかったからです。フィニッシュポジションという言葉は、正しいか間違っているかの感覚を呼び起こしますが、なぜ私や他のプレイヤーが特定のハンドプリントを作るのかというと、それはグリップに大きく関係しています。
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もしあなたがクローズドグリップ、つまり私がクローズドグリップと呼んでいるものを持っている場合、手のひらがボードに向かって閉じられ、小指の側面がダーツボードに向かっています。多くの人が「こうやって手をフィニッシュさせろ」と言うのですが、例えば「ガーウェン・プライスのようにこれ(手首を深く掌屈させたフィニッシュ)をやれ、これをやれ、そうすれば上手くなる」と言っているビデオがインターネット上に今でもあります。しかし、オープングリップでないと、実際にはそのやり方は悪化させる可能性があります。ガーウェン・プライスはオープングリップで、彼はまっすぐフリックし、そのフィニッシュは特定の形になります。クローズドグリップのプレイヤーがそれを行うためには、肘を回転させる必要があります。リリース時またはその直前に回転させると、親指がダーツの下に滑り込み、ダーツが「1」に行ってしまうのです。これは非常に一般的なことです。
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また、肘を回転したときの肩の動きが「5」に引っ張ってしまうことがとてもよくあります。通常、「5」に当たるのは5と逆方向に引っ張ったときです。それは逆ではと思うかもしれませんが、実際にはそうではありません。肘を内側に回転させることで「5」に当たるのではありません。「5」にあたるのは引っ張った場合だけです。
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プレイヤーとして「(手首が曲が手の甲がダーツボードに向く)この投げ方は良さそうだ」と思っているかもしれませんが、多くの、実に多くのプレイヤーが、例えば蹴り出すように投げて曲げ、その後に回転させるような動作をしているのをよく見かけます。逆に、最初にこのように(投げながら手のひらをボードに向けるように)投げ始め、その後に回転させることもあります。
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前者の動作は無意味です。なぜなら、ダーツはすでに手を離れており、その後に回転しても実際には何もしていないからです。後者の動作は、後悔することになる可能性があります。回転を伴うプレイヤーもいますが、その数は少なく、通常は非常に自然に才能のあるプレイヤーです。なぜなら、完璧にタイミングを合わせなければならないからです。ダーツをまっすぐ投げてから回転させる必要があります。
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トニー・オシェアは、この点で私が常に思い浮かべる人物です。彼は手をこのようにしてフリックし、手首を素早く持ち上げてダーツを放ち、その後さらに少し回転させます。もし回転のタイミングを誤ると、ダーツは「1」の低めに入り、それは実にいい迷惑で、混乱するでしょう。なぜなら、それは気持ちよく感じるからです。あなたがしっかりと投げ切ったように感じるでしょうが、実際にはダーツを横に弾いているのです。あなたの問題はそれなんです。
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今日はここまでです。「Straight to the Point」をご覧いただきありがとうございました。ぜひ「いいね」とコメントを残し、ダーツが好きな方はチャンネル登録もお願いします。」
この動画には続きがあります。ここでも聞いたことない理論が展開されています。
ダーツ理論は正しいか正しくないか、納得できるかできないか、本当か適当か、現実か虚構か、誰もわからわからないし、信じるかどうかは自己責任だし、スランプに陥ったとしても生死には関わらないんだから、言ってることが面白いか面白くないかで評価していいんじゃないかなと思っています。この人のコメント欄をみると、こんな褒める表現があるのかってぐらい、褒めちぎられています。 批判するのではなく、こういう人を育てる土壌というものが、あってもいいんじゃないかなと思います。
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