スティールダーツ(ハードダーツ)では、ダーツが弾かれたり、抜け落ちたりするとポイントになりません。一本無駄になってしまうので、ダメージが大きいです。ダーツを3本ボードに刺して、それに向けてダーツを投げてスロー動画を撮ってその理由を考えました。
バウンスアウトの場面は下の動画で見れます。トッププレイヤーの試合でもよく起こります。そして、トッププレイヤーの対戦では、一本で取れるポイント数が高いので、勝敗を決めるものになってしまう場合も多いです。
バウンスアウト(弾かれ)の理由としては大きく分けて4つあると思います。
- ダーツに当たって落ちる
- ワイヤーに当たって落ちる
- 刺さる角度が悪くて抜け落ちる
- ポイントの摩擦が小さく滑り落ちる
それぞれについて以下に詳しく述べます。
1. ダーツに当たって落ちる
バシッと音がして刺さったダーツに当たって前のダーツに当たって落ちることはよくあると思います。跳ね飛ばされるか、刺さっても角度が悪いので結局落ちたりします。
この現象はさらに主に5つの現象に分けられます。
1.1. バレルまたはポイントがフライトに当たる
これがもっとも一般的なイメージだと思いますが、動画で様子を詳しく見ることができます。画質は悪いですがデジカメの480fpsで撮っていますのでコマ数は多いです。
バレルがフライトの下に当たり、刺さっていたバレルは上に押し上げられますが、飛んできたバレルの先端を滑るように下に押し下げるので、バレルは前転を始め、先端がボードに届くときには角度が高くなっているだけではなく、前転の勢いがついているのでバレル全体がボードに叩きつけられるようになります。
これも同じ例です。よく起こる例だと思います。
1.2. フライトがフライトに当たる
バレルがフライトに当たっても角度によってはバレルはすり抜けることができます。しかし、刺さっていたダーツのフライトに飛んできたダーツのフライトがあたるとそこで飛んできたダーツの後端が急激に跳ね上げられ(または当たりどころによって押し下げられ)て、先端がボードに届く寸前で、激しくダーツの前転(または後転)が始まり、ダーツがボードに叩きつけられます。
1.1.のバレルがフライトに当たった場合と1.2.のフライトとフライトが当たった場合が複合して連続して起こる場合もあります。下の例では、バレルがフライトに当たり、前転が始まりますが、その後、フライトがフライトに当たり、後転が始まってバウンスアウトしています。
フライトがフライトに当たっただけなら、かろうじて刺さる場合もあります。スタッキングしないで離れたところに刺さるパターンはこれが起こっていると思います。二つ例を出しておきます。
1.3. ポイントがシャフトに当たる
これはシャフトがだめになる当たり方です。フライトは十字になっているので、フライトにポイントが当たると、ポイントはフライトの折り目に誘導され滑っていき、ポイントは見事にシャフトに当たります。下の動画のようにロビンフフッドになる場合もありますし、シャフトを壊して落ちる場合もあります。
1.4 ポイントがバレルに当たる
飛んできたダーツのポイントが刺さっていたダーツのバレルに当たってバウンスアウトすることも考えられます。うまく滑ってくれればよいですが、バレルの表面には凹凸がつけてあるので引っかかることもあると思います。これは捉えることができませんでしたが、起こりうると思います。Youtubeのバウンスアウト集ではこれらしいバウンスアウトも起こっているようでした。
1.5. バレルがバレルに当たる
飛んできたダーツのバレルが刺さっていたダーツのバレルがあたる場合もあると思いますが、これはバウンスアウトせずに、ありがたいスタッキングが起こるか滑る程度でバウンスアウトまではしないのではないかと思います。しかし、バレルが横方向に振動していて、バレル同士がX字の形に当たると、大きく横方向に方向が変わってバウンスアウトします。刺さってるバレルの角度や、飛んできたバレルの振動の向きにもよるかもしれません。
ダーツに当たってバウンスアウトする場合の対策
ダーツに当たって落ちる対策としては以下のようなことが考えられると思います。
- フライトが回転するシャフトを使う(回転するフィットシャフトなど)
- ぶつかっても方向が変わりにくいバレルを使う(重い、長い)
- 柔らかいフライトまたはヨレヨレのフライトを使う
- リフレックスポイント(One80)を使う。細くて深くささって、しかもしなる。「ダーツのバウンスアウト防止にリフレックスポイント」で詳しく検証しました。絶大な効果でした。
- 重いダーツを使う。重いダーツは同じスピードでも深く刺さります。深くささるということは、しっかり刺さるというだけでなく、刺さったダーツに当たったダーツの先端がボードに近くなりますから当たったダーツが後転や前転したりしても方向が大きく変わる前に刺さることができます。)
- ポイントを長くする。(方向が変わる前にささるようにする。しかし刺さっているダーツの刺さりが浅いと、飛んできたダーツは刺さっていたダーツに当たってからボードまでの距離は長くなるので長いだけでは効果は疑問。深くささらないと意味がない。)
- フライトを小さくする。(村松プロはこの方向)
- デザインを変える。(HarrowsのVelosなどどうかなと思います。)
- Slick Stickやコンドルフライトを使う。(柔らかいし、シャフトに当たりにくい) Fit やエイトもシャフトでポイントが躓きにくいかもしれない。
- 刺さる角度と回転をコントロールして弾かれにくくする。(ような人もトッププレイヤーにはいるかも)
- 弾かれそうだと思ったら狙いを変える。削りでは20,19,18。上がりでは違うアレンジで。
「弾かれそうだと思ったら狙いを変える」が弾かれ防止には最強だと思います。しかし、無視できないのがスタッキングです。弾かれもするけど、前に刺さっていたダーツの根元に刺すことができるスタッキングを使うことができれば、削りで高得点を出したり、上がりで少し外したダーツを使ってダブル入れることができます。弾かれるか、スタッキングするか、この見極めは経験を積まないとわからないと思います。
刺さったダーツの下にダーツを当てるアンダースタッキング
刺さったダーツの上に載せるオーバースタッキング
個人的に今のところやってみたいのは、リフレックスポイントとHarrows Velosの組み合わせ。
2. ワイヤーに当たって落ちる
ガツッと音がして大きく跳ね返りますので分かります。ポイントを鋭く尖らせるのではなく、少し丸くすると良いと言われてます。ダーツボードも丸く太いワイヤーでできている場合は、この跳ね返りが大きくなります。以前のBlitzerのBB-3は丸く太いワイヤーを使っていて激しくバウンスアウトしましたが、BB-4では改良されているようです。ハローズのボードはかっこいいですが、丸いワイヤのオフィシャルコンペティションはやめて、細く尖っているプロマッチプレイにすることをお勧めします。ウィンモーのデュアルコアが最高なのは言うまでもありません。
検証できていませんが、リフレックスポイントはしなるので衝撃で弾かれず、ワイヤの表面を滑って弾かれにくい可能性もあると思ってます。
3. 刺さる角度が悪くて抜け落ちる
セッティングか投げ方が悪くて刺さる角度でボードに当たっていない場合です。ボードに当たるときにダーツの向きが放物線に沿っている場合、ダーツが最もしっかり刺さりますが、角度がずれていくと、極端な話、針を刺すのではなく針が横向きにボードに押し当てるようになりますので抵抗が多くなりますし、当たった点を中心にダーツが持ち上がったり下がったりするので、力が刺す方向に向かいません。ハードボードにはある程度角度が悪くてもなんとか刺さりますが、ソフトボードではよくあると思います。セッティングや投げ方を変えて角度を調整します。
フライトが下がるような形で刺さって、その後抜けてしまうときはポイントにヤスリをかける必要があります。次の項(4.)に書きます。
あまりにも角度が悪すぎて刺さりが浅いと飛んできたダーツが当たったとき落ちてしまう場合もあります。さらに、刺さりが浅いと、飛んできたダーツが刺さっていたダーツに当たったとき、ポイントの先端はダーツボードから離れることになりますから、飛んできたダーツがささらない角度まで回転してしまう余地を与えることになり、バウンスアウト しやすくなります。
セッティングがどのように刺さり方に影響するかは、ダーツ の軌跡飛型計算の計算についてとVer.1.2.2(実際には現在Ver.1.4.5.)の計算表(ひでわんフライト)とその一連の記事をご参照ください。
4. ポイントの摩擦が小さく滑り落ちる
セッティングと投げ方によっては、フライト側がポイントより下になって刺さります。そこで、買ったままたのプレーンのポイントや、使い込んだポイントは重力でゆっくりと滑り落ちます。ポイントをヤスリで荒らすか、ギザギザしたポイントを使うと落ちにくくなります。ヤスリでポイントを荒らすのはしばらくすると効果が無くなってきます。ギザギザしたポイントは効果が持続しますが、ボードを痛めることもあるので気をつけてください。
5. 終わりに
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