ダーツの道具で金属の板に穴が開いている工具があります。変な形の金属板に穴が空いていて、なにか便利そうではあるけども、本当に役にたつのかみただけではわかりにくいものです。入手した二種類のツールについて説明します。(Harrow’sとMueller’sのを持ってて紹介しますが、いまのところWinmauのがいいんじゃないかなって思ってます。最後のほうに書いてます。)
Harrow’s DARTS FIXIT
ハローズがDARTS FIXITというツールを作っています。比較的入手しやすいと思います。特定の部分に数字で番号が振ってあって、裏面にその番号に対応する機能が書いてあります。1番から10番まであって、英語で書いてある上にイメージしにくいので、一つ一つ説明します。
1. Broken Softip extractor
英語の表記はこわれたソフトチップのextractor。ソフトチップはSoft tip と分けないで、Softipとつなげてtをとると初めて気づきました。extractorというのは抜き取り具のことです。壊れたソフトチップ外しです。ソフトダーツはあまりやらないのでよくわかりませんが、多分折れて取れなくなったチップを、とんがったところにひっかけて回して取るんだと思います。
2. Lock wrench for cross-hole shafts
英語の表記のcross-holeとは目抜き穴のことで、アルミシャフトには必ず空いている、締めるための穴のことです。穴の開いたシャフト締めです。 ポイントを指して回す人が多いと思いますが、思いっきり回そうとすると、ポイントが曲がったりしないか心配です。特に、フレックスポイントを使っているとポイントのほうが曲がってしまいそうです。しかし、ポイントで回さずにこれで回せばしっかり締めることができます。
3. Broken shaft thread remover
英語表記のremoverはリムーバー。外す道具ということです。壊れたシャフト外しです。上に示したシャフト締めと同じ場所を使って反対側に回せば外れるのでシャフトが壊れたら閉めたの反対に緩めることができます。シャフト締めと外しをわざわざ二つに分ける必要があるのか? と思いますけど、二つにわけた方が機能盛り沢山感がでます。穴が空いていないシャフトを使っていなければ使いようがありませんが、アルミシャフトユーザーには便利です。
4. Lever wrench for impacted Softips.
英語表記はインパクトを受けたソフトチップのレバーレンチ。床に落ちて曲がったりしたソフトチップをここで直すもののようです。 曲がってしまったポイントは手で真っ直ぐにすることもできますけど、ここを使うと曲がったところだけを集中的に見ながら曲げ直すことができるのできれいに真っ直ぐにできそうです。
5. New aerodynamic Powerpoint “CD Collar” key.
英語表記は新しいアエロダイナミックパワーポイントCD Collar(というHarrowsのコンバージョン)回しです。Harrows はターゲットのスイスポイントのように、スティールのポイントをソフトチップのように交換できるCD Collarというコンバージョンがあって、そのポイントを回すための道具のようです。これはあまり見かけないし持っていないので、使いようがありませんが、CD Collarのポイントを愛用している人には必要なものだと思います。Fit ポイントをなんとか締められるのでいいかもしれませんが、Fit のポイントはレンチがついているので必要ないですね。
6. Old type flat head collar key.
英語表記は古いタイプの平な頭のコンバージョン回しです。ポイントの根元が四角いコンバージョンはまだあると思いますが(私も持っています)、そのコンバージョンを回すのにちょうどいい穴です。古いタイプというか、一般的といったほうがよいかもしれません。コンバージョンはポイントが細いのでとても締めにくく、緩みやすいのですが、こういう回す部分があるコンバージョンとこの器具があればしっかり締めることができます。
7. Safety blade for shaft slot alignment.
Safety blade = 安全刃 shaft slot シャフトスロット= フライトが入るスリットのこと algnment = 整える という意味なので、シャフトのスリット調整のための安全刃ということです。
アルミシャフトの困るところはスリットが狭すぎて、フライトが入らず、無理に入れようとしてフライトの十字のところが痛んでしまって、剥がれたりめくれたりすることがあります。そうなるともう入れることはできません。そのため、アルミシャフトの溝を少し広げる必要がある場合がかなりあります。下の写真では、Mueller’s のDART DOCTORと重ねて、安全刃の写真を撮っています。厚い断面わかるように赤く塗っています。どちらも0.6mm程度の厚みがあります。
この安全刃をアルミシャフトに少し差し込んでから、フライトを入れると楽に入れることができます。 アルミシャフトユーザーにとっては便利な機能です。
この部分は実のところそのままでは0.6mmもありますので厚すぎてアルミシャフトのスリットに入れることが難しくて使い物になりません。しかし、前の記事で紹介したポイントのヤスリ、シャープナーを使って、先端を鋭く尖らせるとスリットの間に入るようになります。この部分は、凹部にあるので、刃にそってシャフトが滑ってもストッパーが効くので、手を滑らせて手を切ってしまうことがありません。これがナイフと違うところです。安心して差し込むことができます。Safety blade 安全刃というだけあります。 ナイフだと手が滑ったら手を切ってしまいます。
自分にとっては、ちょっと加工することによって発揮できるこの機能がこのツールの一番重要な機能です。このツールの存在意義がここにあると言っても過言ではありません。(過言かな。)
8. Grip zone.
グリップゾーン。持つところです。これはちょうど7.シャフトのスリット広げる安全刃 の反対側にあります。 安全刃のためにあるようなもので、これがあるためにしっかり持つことができます。ヤスリではありません。これ単独で機能があるわけではありませんが、これも機能盛り沢山な感じを出すために分けて番号を振ってあると思います。
9.ソフトチップ回し Softip key (2BA 1/4 BSF)
ちょっとイビツな形になっているので、ソフトチップを回すことができます。
丸いソフトチップは汗ばんだ手で回すとしっかり締められませんが、この部分にテコを効かせて挟んでギュッとまわせば締めることができます。
10. Three step flight slot
英語表記のフライトスロットは、フライトを差し込むところのことです。Three stepは穴が3つ空いているので3段階に修正していくことを指しています。アルミシャフトはポイントが追突(ロビンフット)すると割れることはないですが、フライトスロットが開いてしまいます。ここの大きさの異なる3つの穴iに大きい穴から順番に差し込んでグリグリすると開いたスロットを閉じることができます。完全には閉じませんし、仕上がりもきれいとは言えません。 応急的には良いと思います。 安全刃で広げすぎたら少し直すのには使えるかもしれません。
ひらいたスロット
差し込んだところ
直してみたあと。かなり開いたスロットも使用できそうな程度にはなりましたが、周辺が傷だらけになりました。
11.Key ring hole
キーリングホールということなので、携帯のストラップなどを通して無くさないようにできると思います。
Mueller’s DART DOCTOR
もう一つMueller’sというメーカーがDART DOCTORというツールがあります。これはHarrow’sのツールよりもシンプルで小さいです。下の写真の右側から機能を説明します。
シャフトのスリット広げ
左の魚の尾びれのような部分です。ここも厚みが0.6mm程度あり、広げるのは難しいですし、Harrow’sのように滑ったときにストッパーがないので手を切らないように気を付けなくてはなりません。
シャフトのフライトスロット直し.
ここはHarrowsのフライトスロット直しと同じです。丸い穴が3つ空いていて、直しながら小さい穴にしていきます。
ソフトチップ回し
形がイビツになっているのて引っ掛けて回すことができます。Harrowsの9ソフトチップ回しと同じです。
コンバージョン回し
Harrow’sの6. 古いタイプのコンバージョン回しと同じです。
アルミシャフト回し
Harrow’s の2. シャフト締めと同じです。
まとめ
Harrow’s DARTS FIXITは意外と便利だったという感想です。特にアルミシャフトの安全刃はもう私にとってはなくてはならないツールです。アルミシャフトを使う人にはおすすめです。フライトを無理に入れてフライトの十字のところを壊すとおしまいなので、まずアルミシャフトのスロットに安全刃を通してからフライトを入れています。問題は安全刃を少し加工しないといけないことです。
シャフトは手で締めて十分な場合が多いですが、細くて締め難かったりゴムの効きが悪く緩みやすい時はシャフト回しとしても使っています。アルミシャフトでもゴムのリングをつけてシャフト回しでしっかり閉めればまず緩むことはありません。
ソフトダーツはあまりやらないので、壊れたチップを外す機能やポイントを直す機能がどれだけ役にたつかはよくわかません。
持っていませんがWinmauも製造しているようです。これも安全刃が凹形になっているのでよいと思います。ポイント用のヤスリや、スケール、栓抜きもついていて、Harrow’sのより少し進化ししている感じがします。ヤスリがどれだけ使い物になるかはわかりませんけど。栓抜きがあれば、ハイネケンやカールスバーグやコロナのビールのビンが開けられます。スケールがあると、他の人のシャフトの長さとか測れるかもしれません(許されれば )。
この記事の公開後、STOさんからの情報をいただきまして、Harrow’sのツールとの大きさの違いがわかりました。
STOさんの写真でWinmauのほうはスケールがしっかりあることがわかりますし、ポイントのヤスリと、下の方の辺にあるポイントに傷をつけるためのギザギザもわかります。安全刃も研ぐ必要がないそうで、かなり改良・進化しているようです。Harrow’s のツールの大きさが45.5mmX30.2mmですから、Winmmauのツールでもクレジットカードや名刺と同程度で持ち運びには困らないと思います。このぐらいのほうが無くならなくてよいかもしれません。
Mueller’sのツールのほうは小さくてよいですが、無くしそうなのと、安全刃を研ぐと危なそうなのでいまのところ使ってません。
Mueller’sのツールと似たようなツールも販売されています。これは持っていないので詳細不明です。シャフトのスロットを広げるためなら、どちらかというとHarrow’sやWinmauのもののほうが良いと思います。
出演: TARGET(ターゲット) REBEL REBORN WAYFARER(ウェイファーラー) 2BA 樋口雄也選手モデル
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