PDCの2019Qスクールとツアーカードについて、ひでわんダーツの分析結果を書きました。Q-スクールとツアーカードについて詳しくは以下のリンクがとても参考になると思います。
【PDC説明1】Qスクールとツアーカードについて| S-DARTS MAGAZINE (エスダーツマガジン)
2017年度PDC Qスクール募集 | 【SMAG. | S-DARTS Magazine】
世界への挑戦 : ドリー・ファンク・ラブ
今年2018の場合、ツアーカードは
・PDCの2017年上位64位まで
・2016年のPDCのデベロップメントツアー上位2人
・2017年のデベロップメントツアー上位2人
・2016年のチャレンジツアー上位1人
・2017年のチャレンジツアー上位2人
・2017年のQ-school(qualifying school)合格者 24人
・2018年のイギリス開催Q-school 上位15人と4日間の4回のトーナメントの上位2人計8人でイギリスのQ-schoolからは23人
・2018年のドイツ開催Q-school 上位6人と4日間の4回のトーナメントの優勝者計4人でドイツのQ-schoolからは10人
・纏めると前年のイギリスとドイツのQ-school合わせて33人。
64+2+2+1+2+24+33=128でツアーカードは128枚あります。
PDCツアーカードホルダーのレベルは非常に高く64位以内に入って維持するにはアベレージが95はないと厳しいようです。今年で失効者する人でも上手い人たくさんいます。去年ツアーカード取った人たちもアベレージ90以上は普通になってました。
PDCの賞金の伸びは下図のようにめざましく、優れたプレイヤーがPDCでの活躍を夢見て集まってくるようになっていることがレベルが上がっている理由の一つと思います。
Courtesy of stats-guru @ochepedia…
The growth of total PDC prize money per event over the years pic.twitter.com/C7V50EcUU1
— PDC Darts (@OfficialPDC) October 17, 2018
参加資格であるツアーカードが得られるQ-Schoolのレベルも高くなっているのですが、BDOの会長が交代し、PDC参加プレイヤーのBDO参加制限が解除されたので、来年のQ-schoolは多くのBDOプレイヤーが参加する可能性があると思います。
BDO lifts sanctions on PDC players in ground-breaking new ruling
2018年BDOトップのGlen Durrantは なにがどうあれQ-Schoolに参加すると言っています。
DURRANT CONFIRMS PDC MOVE: ‘I WILL BE GOING TO Q-SCHOOL, IRRESPECTIVE ON HOW I DO AT LAKESIDE’
2018年BDO9位のScott Waitsは、90%のBDOプレイヤーがQ-schoolに行くだろうと予想しています。
BDOにはこんな選手達がいます。順位 名前(国籍) / Points / 備考
1 Glen Durrant (イングランド) / 389 / 2018ワールドマスターズ優勝 2018ワールドトロフィー優勝
2 Mark McGeeney (イングランド) / 371 / 2018 BDO レイクサイド 準優勝
3 Jim Williams (ウェールズ) / 356 / BDO レイクサイド 準々決勝進出 2018,ワールドマスターズ 準決勝進出 2018
4 Wesley Harms (オランダ) / 321 / 2018 PDCグランドスラムでの活躍
5 Michael Unterbuchner (ドイツ) / 310 / 2018 PDCグランドスラムで活躍 ウェイドに勝利
6 Scott Mitchell (イングランド) / 309 / BDO チャンピオン 2015, BOD ゴールドカップ 優勝 2018
7 Richard Veenstra (オランダ) / 302 / 2018 ブリティッシュオープンとクラシックダブル優勝
8 Gary Robson (イングランド) / 300 / ワールドマスターズ準々決勝進出2018、グランドスラム2018でラスト32
9 Scott Waites (イングランド) / 270 / BDO チャンピオンシップ レイクサイド 2回優勝 2013 2016
10 Wayne Warren (ウェールズ) / 255 / BDOチャンピオンシップ レイクサイド 準々決勝進出l 2018, ワールドマスターズ 2018準々決勝進出
28 Tony O’Shea (イングランド) / 161 / BDOマルタオープン準決勝進出 スロバキア、スコットランド、ウェールズマスターズ各準々決勝進出 2018
30 Darius Labanauskas (リトアニア) / 150 / PDC ワールドチャンピオンシップ南・西ヨーロッパ代表 2018
31 Andy Baetens (ベルギー) / 147 /BDO チャンピオンシップ レイクサイド 準々決勝進出2018
193 Boris Koltsov (ロシア) / 26 / EADC チャンピオン 2018
Glen Durrantは、「500人参加しても驚かない。最多人数になって基準はとてつもなく高くなると思っている。Q-Schoolはレイクサイドより厳しくなるよ。」と言っています。
Glen Durrant ‘sets things in motion’ ahead of potential PDC switch
PDCに参加し今年でツアーカードが失効するため、更新に臨むと思われる有力プレイヤーは以下の通り。
名前 / 国籍 (PDCでの平均アベレージ(2018))
Devon Petersen / 南アフリカ / 2019PDC ワールドチャンピオンシップ アフリカ代表
Rowby-John Rodriguez / Austria (93.4)PDC ワールドチャンピオンシップ南・西ヨーロッパ代表 2018
Joe Murnan /イングランド / 2018 PDC グランドスラム 出場
Mick McGowan / アイルランド/ ナインダーツ経験者 2003
Mickey Mansell /アイルランド (89.4)
Darren Johnson /イングランド (94.7)
Kirk Shepherd /イングランド (93.5)
Chris Quantock /イングランドPC20 準々決勝進出
Jimmy Hendriks / オランダ PCファイナルズ 2017 出場
Madars Razma /ラトビア (97.6)
Ritchie Edhouse /イングランド (92.2)
Jamie Bain / スコットランド (97.4)
Scott Taylor /イングランド (89.1)
Steve Hine /イングランド(92.0)
Richie Burnett / ウェールズ (88.2)
Stephen Burton /イングランド (92.0)
Paul Rowley /イングランド(90.2)
John Part / カナダ BDO チャンピオンシップ優勝 1994, PDC チャンピオンシップ 2003 2008
Maik Langendorf / オーストリア (88.7)
Ronnie Baxter /イングランド BDO チャンピオンシップ決勝進出 1999, 2000, PDC ワールドチャンピオンシップ準々決勝 2002 2010
Lee Bryant /イングランド(92.0)
Royden Lam / 香港 (89.7) アジアンツアーの平均アベレージ(85.2)
このアベレージを残しても失効してしまうというのは驚きです。そしてこれらの人たちはまた参加してくると思われます。
また、昨年、PDCアジアンツアーが行われ、そこで自信と野望を燃やしたプレイヤー達が参加する可能性があります。参加すれば、2018年でツアーカードが失効するロイデン・ラム(85.2)、活躍したフィリピン選手達、イラガン(86.4)、ノエル・マリクダム(87.0)、パオロ・ネブリダ(86.9)は取得できる可能性があります。しかし、アジアから、イギリスの大会に毎回のように参加するのは容易ではありません。遠征費用は高いですし、時差も大きいので実力が発揮できるとは限りません。4日間のQ-school参加費用、取得できる可能性と取得できた後どうするのか、を考えると参加しないという判断をする人も多いと思います。日本人はどうかというと、浅田プロ(86.3)、村松プロ(85.8)は取得できる実力があると思います。(かっこ内の数字は2018PDCアジアンツアーでのアベレージ平均値)ドイツで行われるQ-Schoolには日本人は参加できませんのでイギリス開催のQ-schoolに参加しなくてはなりません。
イギリスのQ-Schoolには、上記のBDOプレイヤーや、PDCプレイヤーのほとんどはイギリス国籍であり、イギリス人もドイツのQ-schoolには参加できないので、参加してきます。Glen Durrantが言うようにかつてない人数、水準になるでしょう。
2019年のQ-schoolでツアーカードを取ることは、誰にとってもかなり困難なものになるでしょう。異常に高レベルのダーツ合宿です。これでも果敢に挑戦するのはそれなりのレベルである証で、参加したこと自体を誇りに思っていいぐらいだと思います。取れたら偉業です。しかし、取れてもどれだけ評価を受けられるか、どれだけPlayers Championshipに出場するなどして活用できるかを考えると結構厳しい。分かる人にしか分からないものになりそうです。
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